11月15日(日)群馬県前橋と高崎行き「佐賀町エキジビットスペース展」

 きのうは、前橋と高崎に行った。休日おでかけパスを使う。2720円。JR神保原駅から高崎駅までの運賃を別途払えばいい。T氏とは、12時に高崎駅改札口で待ち合わせる。

9:21 前橋駅
9:30 マクドナルドでおなかを落ち着かせる。朝シリアルを食べてきたんだけど、何か食べないと歩けない。朝マック エッグマックマフィン 野菜ジュース。
9:45ごろ前橋駅を出て歩く。ぶらぶら写真を撮りながら。
9:57 アーツ前橋着。帰りに寄ろうと思っていたが、外からショップを見たら、面白そうだったので、先に入ることにする。
10:00 開館。検温。健康チェック用紙に記入、入館。「場所の記憶 想起する力」展。
 白川昌生さんの作品。話をでっち上げてでも地域に目を向けさせる作品か? 話は主観を表現する芸術に他人を参加させるのにいいんだな。でっち上げはつまり主観ともいえる?いや虚構だ。主観はその人なりの現実の解釈だけど、虚構は、作った本人作者は、別に信じていない。虚構と断ったうえで、人を乗せる土台を作る。みなでストーリーを共有すると言えば、どこかで聞いた風だが。商品の背後にあるストーリーを知れば、買いたくなるというやつ。虚構を表現するのも芸術だ。自分発のテーマでなく、虚構の装置としての作品かな。
 ショップは、障碍者アートの商品がほとんどだった。楽しい。関東や関西の障碍者施設で作られた様々な商品が置いてある。バッチ、サコッシュ、バッグ、ペンケース、Tシャツなど。私はカレンダーを買った。1200円、ひと月の日にちの数字が書かれただけのものだ。手書きで、一か月がひとり。12人の個性が表れた数字が並んでいる。見本を見ながらクスクス笑った。買ったらクッキーの小袋が付いてきた。今だけらしい。ラッキー。
10:45 アーツ前橋を出る。ちょっとここに居すぎた。前橋発11:35の電車に乗らなければならない。文学館から駅まで17分。逆算すると11:10には文学館を出なければならない。と気が付いて大急ぎで歩く。楽しかったからいいんだけど。
10:50過ぎ 前橋文学館に着く。「なぜ踊らないの――生誕100年記念 萩原葉子展」。前日電話で予約しておいた。検温。予約の際に言った内容が用紙に書かれていた。様式同じ。名前、住所(県市まで)、電話番号、体温、セキなどないか。
 萩原葉子が作った猫のワッペン?がたくさん並んだコーナーがあった。舞台に映えそうな、スパンコールや鳥の羽がところどころあしらわれている。何というか、気持ちがギザギザしている小物だ。かわいさとは無縁の野良猫。昭和40年代のヤクザ映画の感じだろうか。猥雑も高潔も対面して一人で生きていて孤独を抱えてもそれを外に出さないけどちょっと哀しさがにじんだもの、とでもいうか。ほかの展示は、ダンスの稽古や舞台などの葉子の写真。そして生原稿。宇野千代を尊敬していたということだ。
11:10前橋文学館を出る
 前橋は面白い建物がたくさんある。昭和の建物を利用して今が混じったお店。懐かしかったり空間に余裕がある建物だ。気になった建物の写真を撮る。行きとは違う道を速足で歩く。街路樹は黄色や茶色の葉を半分くらい落としている。
11:30前橋駅
11:30前橋発 両毛線
11:50高崎着
 駅の東口と西口の入り口に行って周辺を見る。地図でだいたい見ていたけど実際を見る。バスの時間があってそんなにゆっくりできないけど、なにか適当なランチのお店がないものか。
12:00改札口でT氏と落ち合う。
12:10おぎのや 群馬の台所、に入る。一番近いからここにした。「上州もち豚」つけ汁うどん¥1100。太麺を選ぶ。作りたてうどんがとてもおいしい。T氏は峠の釜飯¥1100。
12:35 店を出る。
12:40 高崎駅東口発。市内循環バスぐるりん。9系統群馬の森線。余裕で間に合った。予定では12:50発のにしていた。一律200円。メッセや病院や県立特別支援学校をめぐっていく。特別支援学校の建物が和風で屋根が平らではない、昔の近代建築の風情で素敵。敷地も広い。
13:09群馬の森着
 駐車場に車がいっぱい停まっていた。今日は土曜日だった。群馬の森公園には小さい子を連れた家族がたくさんいた。簡易テントがあったりボールで遊んだり散歩していた。5分くらい歩いて。
13:15 群馬県立近代美術館。ダウンロードして書いてきた健康チェック用紙を渡す。検温。
「佐賀町エキジビット・スペース1983-2000 現代美術の定点観測」展。そこで展覧会をした作家何人かの、当時展示したという作品が展示されていた。歴代のカタログもあった。私は開館のとき行ったことがある。それから1~2度行ったか。建物がかっこよかった。
 この展示での国内の80年代の作家たちは知っている人がいたけど、あとは知らない人ばかりだった。90年代以降、私は美術にご無沙汰だったから知らないのは当たり前なんだけど、どういう視点でのキュレーションだったのだろう。海外の作家たちはみんな面白かった。国内の人たちはさっと見て終わりになる。よく見ようという気になれなかった。私の好きな傾向と違うということだ。


11月17日(火)の朝日新聞夕刊に、「アートの『実験場』豊かな軌跡 東京の『佐賀町エキジビットスペース』回顧展@群馬」という記事が載った。(編集委員・大西若人)。

ーー「佐賀町」を主宰したクリエイティブディレクターの小池一子は「当時の社会がアーティストを支えていないのではないか」という思いからスタートしたと明かした。
 80年代の若手の発表の場といえば、お金を払って借りる小さな貸し画廊ぐらいしかなかったという。美術館での展示機会も今より限られていた。

小池は「銀座の画廊を仮想敵に、新進作家のための場を作ろうと考えた。伴走者になれれば、という思いが強かった」と振り返る。

  現代美術の貸し画廊は若手作家(たいがい貧乏)の伴走者だった。今でもそうだと思う。小池氏のいう「銀座の画廊」が日動画廊などの経済活動がしっかりした画廊を指すのか、経済はそこそこで現代美術家の発表の場である画廊を指すのか、よくわからないが、「仮想敵」という言葉がちょっと面白い。「対抗する」という意図が佐賀町エキジビットスペースの企画に含まれていたのかもしれない。
 記事の文脈からすれば、既存の経済活動画廊にできないことをやろう、若手新進作家に表現の場を与えて、表現の幅を広げた展示をしよう、ということだ。貸し画廊では幅ひろい表現をやっていたと思うけど、大きな建物でそれを目指した、ということなのだろう。
 今回の群馬近美の展示は、こういう場があった、が主で、そう思うと、作品は建物を彩ったものたちということだ。建物に雰囲気あったからな。逆に言うと、ここでの作品は、雰囲気なしでさらされている。

 群馬県立近代美術館の常設展も観た。明治以降日本作家たち。群馬県にゆかりのある作家が多かったがそれだけではない。長谷川利行の少女を描いた絵があった。異彩を放つ。見られて幸せ。
 観る順路にちょっと戸惑う。順路の矢印がもう少しあってもいいんじゃないかと思う。
 ショップに寄る。そのあとお茶して休もうかとしたが、中途半端な時間に高崎駅に着くのでやっぱり先にバスに乗ろうということで、バス停に向かう。

14:59発のバスに乗る。少し遅れて、15:03頃来た。出発してバス停をぐるっと回って出ようと向きを変えたときバスが止まり、「乗る人がいるみたいで」と言って運転手がバスを降りてバス停の方に歩いていった。優しい。運転手のあとから男性が乗ってくる。首にカードホルダーを下げて厚いブリーフケースを持った人だ。
 座席に日がよく射して暑いくらいだった。眠くなってうたた寝した。
15:33ごろ高崎駅東口着。スタバがあったので入るが椅子はほとんど埋まっていた。向いのフードコートのモスバーガーにする。
15:40 ドルチェセット、アイスティーと柚子抹茶ショコラ。418円。
 T氏が上野東京ラインがいいということで、16:40にする。T氏が群馬土産を買う。私は買わない。
16:40高崎発
 空いていて対面の車窓から外が見える。日が暮れて、妙義の山々をシルエットに、山の端の空低いところがうす赤くなりまだ上方は薄水色で虹っぽい色調から、だんだん暗くなり薄い夕焼けとなり全体が暗く沈んでいく。駅に停まっても、周りが暗い。家々はあるが、街灯や門灯がついてない。「駅前だけどなんか暗いね」とT氏が言う。「もう仕事から帰ってくる時間なのにね」私が言う。

 T氏と別れる時、「はい、おすそ分け」とT氏にクリームが挟まった磯部せんべい「旅がらす」を二枚もらった。群馬ちゃんの絵が付いているやつ。次の日食べた。止まらなくて2枚食べた。おいしかった。