6月19日(土)お隣のおじいさん

きのうは、午前中はモスバーガー。まぜるシェイク湘南ゴールドにした。小腹を充たしてくれておいしい。午後はバイト。
夜、隣の家のTさんから電話があり、伝えたいことがあるから、家に行っていいか、と言う。なんだろう、どこに通したらいいかな、玄関かな、などど思っていると、すぐに来た。庭で立ち話になった。
Tさんの義父・おじいさんの認知症が進んで、なんかあったらわたしに電話してほしい、T夫にも電話番号を知らせて、何かあったら電話してほしい、とのこと。

おじいさんは、泥棒が物を獲る、ほとんどは、息子の、Tさんの夫がやったんだろう、と言っているが、Tさんの夫には、お帰り、とか、気を付けて行って来いよ、とか、やさしいことを言っている。
おじいさんは、泥棒と近隣の人とをも重ねてもいる。Tさんには、物を盗りに近隣の人が来るだろう、何丁目のあの泥棒、今度来たらこれで追い払ってやる、と日本刀を抜いて、Tさんの前で振り回したそうだ。抜き身の白刃は見るだけでも怖い。Tさんはなんとかなだめて部屋に戻り、へたりこんだそうだ。Tさんたち夫婦は、あとで日本刀を隠した。おじいさんは、チェーンソーもTさんの前に持ち出したこともある。チェーンソーを持った時、おじいさんは動いていない刃の方を握ったそうだ。扱いも雑になり、自分で怪我をしかねない。Tさん夫妻は警察や地域包括センターに相談した。

Tさんのおじいさんは、鉄工所で働いていたこともあって家に材料と道具があり、鉄を切ったり溶接はするし、高い木も切る。高い木を切るのにはそれなりの機械と経験が必要だ。うちで、 1,2度、小さい丘の斜面の木を切るのを頼んだこともある。もちろん農家として、田んぼと畑で作物を作っていた。活動的でなんでもできたおじいさんだが、年を取った。できないことが、もどかしくて、怒りとなっているのは、Tさんも私にも容易にわかる。
Tさんが、仕事を一時離れ一日中家にいるようになって、おじいさんの言動がおかしいことに気が付いたそうだ。この2週間くらいでかなり進んだ。ついさっき言ったりやったりしたことを覚えていない。おじいさんの怒りに火をつけないよう気を配りながら、話相手になっている。Tさんが泣きながらおじいさんに説得しても、次の日おじいさんは忘れている。体は元気で、介護認定の訪問調査では、物につかまって足踏みできますか、と問う訪問員に、何もつかまらないで足踏みしてジャンプまでして見せたという。
Tさんは、もう笑うしかないから笑っている、夫にも笑いながら言っているからかな、と実際笑いながら話してくれた。Tさんが、日本刀の件があって、もうこれ以上は無理、と言っても、夫はもうちょっと我慢してくれるか、としか言わないそうだ。
夫であるT氏は夜、帰ってから1時間くらいで寝てしまうし、おじいさんからは変わらない言葉をかけられる。なんでこの地区の男たちはみんな弱いんだろう、T氏は、息子として親の認知症を受け入れるのには抵抗がある、とTさんは言っている。今、まだ、ケアマネージャーは決まっていない。おじいさんは元気だし、デイサービスに行くようなお年寄りとは違うと自分で思っている。

私はTさんが心配だ。ケアマネージャーさんが決まればよく相談するしかない、ということぐらいしか言えない。Tさんの、笑うしかないから笑っている、これ以上は無理、という切羽詰まった状態がT氏に伝わればいいのだけれど。