3月9日(木)「エゴン・シーレ」展 「掃除機」

きのうは、朝早く家を出て、上野公園に9時ころ着いた。東京都美術館の展覧会のチケット予約時間が9:30~10:00で、スターバックスに入って待つ。見かける時はいつも人であふれている店だが、今日は時間が早いせいか、空席がいくつかあった。外国の方が何人もいて、コロナの影響が薄れてきたかと気持ちが軽くなる。ほうじ茶ラテを飲む。都美術館へ向かう。上野動物園の入り口も人が並んでいなかった。パンダが返還されたからかな。「エゴン・シーレ」展に入る。

 シーレは、裸婦と自画像しか見たことがなかった。今回は、10代の作品や、風景画も展示されていた。そのうまいこと、うまいこと。彼は1918年10月、28歳でスペイン風邪で亡くなっている。第一次世界大戦(1914年7月~1918年11月)の終わる直前だ。ウイーンで文化の爛熟期に、性的情熱と自己確立の揺動から作品が生まれたのかしらと思った。いや、それは誰でもそうだな。時代の中で、自己の表現と自己の確立を模索する。
シーレは線がいいんだ。人物の後ろに一か所白を入れたグアッシュの人物画が好きだった。裸婦は猥雑なポーズだったりする。猥雑だが見せる。素描みたいに描いて、作品として見せる。こんな表現もあるんだ、と昔思った。裸婦の輪郭線に沿って入る色によって、膚の透明感が印象付けられると、今回思った。
ショップで、風景画の素描が描かれた長そでTシャツを買った。

横浜中華街に行く。12時過ぎに着くと、中華街の道に人がいっぱい歩いていた。混んでいる。歩いているのは、ほとんど学生風だ。学校が休みに入ったか。最初、丸くて大きな揚げせんべいのように見えた、鶏肉の平べったいから揚げを食べながら歩いている人がけっこういた。台湾発らしい。流行っているのか。

 台湾系の店で、昼食を取る。汁なし担々麺とワンタンのセット。食べ過ぎた。食後、街をぶらついて、台湾茶を買う。阿里山の金萱茶だ。試飲を差し出されて飲んだら、もうおいしくて買わざるを得なかった。一煎目は捨てない、八煎くらいまでいけるとお店の人に聞いた。

 

13:30に神奈川芸術劇場でT夫と待ち合わせていた。「掃除機」の開場時間だった。受付からすこし離れたところにいるとT夫が来た。全席指定なのでしっかり並ばなくていい。時間が来て、ゆるゆる入った。

「掃除機」は、作・岡田利規、演出・本谷有希子、音楽・環ROY岡田利規の脚本は、セリフを発する俳優が違う役のセリフを発して、そのままその役になったり、セリフが、観客に向かって説明する「ト書き」に相当しそうな内容まで含まれていたりする。物語化に働くバイアスが発動したり揺さぶられたりして、軽い陶酔のような感覚を持つ。

今回は、掃除機に人格を持たせた。引きこもり家族を見守ってきた掃除機が、家族それぞれとやり取りする。複数が一人を演じる仕掛けもある。俳優の身体とセリフのつながりの妙はあったが、驚いたのは、音楽とラップのようなセリフと身振りをした環ROYだった。私がラップの文化に疎いせいかもしれない。絞り出された口語の詩が音楽と相まって、心に入ってくる。

外苑前に移動して、トキアートスペースの個展を観る。道を挟んだ向いの中華料理屋で夕食を取る。二人で五目麺と餃子とよだれ鳥を蒸した冷製を分ける。昼に食べ過ぎたわたしはよだれ鳥がメインだ。中華は多くの食材多くの調理法があってたのしい。

家に帰ってから、大会のことをいろいろする。夜2時までかかってしまった。メールが飛び交ってはいたが、私のすることはなくて楽だった。ここにきて急に忙しくなった。