1月15日(金)河鍋暁斎の底力展

きのうは、河鍋暁斎展を観た。「河鍋暁斎の底力」というタイトル。東京ステーションギャラリーにて。素描を見るのが好きだから行ってみた。

暁斎の素描、下絵、画稿、席絵(宴席などで即興で描かれた絵)、絵手本(弟子の参考のために描く)の展示だ。江戸期の人かと思ったら、江戸末期から明治時代も活躍した。
 着物美人に肋骨などの骨格も一緒に書いてみせる。骨格をつかんでいるから、人物や動物が正確な描写なのだということがわかるし、描く対象物としての人間、という厳とした姿勢が感じられる。そして、美人でも皮を剥げば、こんなもの、みな骸骨、と洒脱か意地悪か、「骸骨の茶の湯」という絵もあるから、洒脱だろう、そういう側面もある。
 全体で何よりよかったのは、人の顔。女も男も神様もみんなさっぱりとして上品だ。絵日記もおもしろい。
 最初の線や胡粉(と説明されていたかな)のホワイトで消してやり直した線やかたちから、作者の着想や整理されていない試みや作者の意図が定まってくる過程や絵のうまさ、つまり暁斎の生が見て取れるようだった。
 うまいし、よく描いたねえ。