8月27日(日)両家顔合わせ

きのうは、両家顔合わせの日だった。
午前中、わたしが出かける準備をしていると、T夫が出荷から帰ってきて、着替えもせずパソコンで農業や大谷翔平のyourtubeを見ている。あらかじめ二人で決めておいた出発時間の20分前になったので、

「支度してからそれ見たら」と言うと、

「遅れないよ、熱をさましてるんだよ」と強い口調で憤怒の表情だ。暑い中動いて、高くなった体温を冷ましているという意味だ。

「怒ってないよ、言っただけだよ」とわたしは返す。T夫は変な顔をしたままだ。

そうだね、とか、分かっているから大丈夫、というT夫の反応を期待した。怒りで返されると心外で驚く。怒るスイッチが以前と違う。
逆に私が、そうとは知らなかった。あなたは遅れないから大丈夫だと思っていた、というような答えを期待されているのかもしれない。妻がケアする関係が基本という考えが染みついているのかな。無意識にでも。いや、そもそも、私の言に険があるかどうかが、読み取れてないのかもしれない。

ところで、ケアということばは便利だ。

T夫はシャワーを浴びて、着替えて、時間通りに準備できた。
古い夫婦は、新しく夫婦になる人たちに会いに行く。

銀座駅に着く。少し早めだ。大事な会だから余裕を持った。プロントに入って、アイスティーを飲む。T夫はアイスコーヒー。驟雨が降り始めた。すぐ止みそうで止まない。外の様子を見ていて、店を出る。わたしは傘を持っていたがT夫が持っていないので地下道を歩く。

「大志満」に12時20頃着く。すぐに個室に案内された。待ち合わせが12時半で相手の親御さんと息子と婚約者が席についていた。

お店から、飾りものが用意されていた。板前さんが、持ってきてくれた。笑顔で拳を握りガッツポーズを作って、がんばってと息子に言った。

飾りは、盆栽風の広めの花器に松と竹と紅白梅が植わっている。枝に大きな鶴がとまり、根元には亀がいる。鶴は大根で作られていて、亀は人参製だ。紅梅の花の半分はニンジンをきれいにカットしたものであと半分は造花、白梅の花も半分は大根でできていた。初めてこういう造作を見た。見事だ。用意してくれるお店の気遣いがうれしい。普段だったら近寄って何枚も写真を撮るのだが、こういう席だから、控えめにした。

料理が運ばれてくる。どれもおいしい。相手の親御さんは、細かいところに気が付き、よくお話される。登山と食べることが好きで、退職なさってから工場見学と家庭菜園を始めたそうだ。学生時代に戻ったみたいとおっしゃった。ビール工場やスイーツや蕎麦に詳しい。おもしろくてつい笑ってしまう。
T夫は、美術の話を少しして、野菜のことなどを話しした。旅行や食べることに比べて、現代美術は話題にしにくい。彼は昔の旅行話を持ち出して、なんとか話題について行こうとした。

15時前にお開きとなった。中居さんとフロアの男性2人と板前さんに出口で見送られた。板前さんは、また笑顔で息子の肩を軽くたたき、頑張って、と言った。

どこにも寄らず、このまま帰ることにした。
帰宅後、クライミング教室に間に合いそうなので、体育館へ行き、お手伝いをした。終わって、3本登った。