4月12日(金)リヒター・ラウム、アーツ前橋

きのうは、起きたら7時半。部屋は20階で庭が付いている。T夫は苔に感心していた。つられてよく見ると、植木も石もあるが土が露出していなくて、数種類の苔に覆われている。
「植えたんだよ」
と彼が言った。

朝食はバイキング形式で、焼き魚(鮭と赤魚鯛)と海鮮丼がおいしかった。

9時にチェックアウトする。

下道で碓氷峠を超え、軽井沢のリヒター・ラウムを目指す。ヤフーでナビして目的地に着いたのにそれらしい建物がない。グーグルマップで見ると、数百メートル離れていた。

予約した11時に着く。

 

リヒター・ラウムは、林の中の別荘地に立つ。白とグレーの建物だ。展示は3室あって、一番広いラウム2にガラスの立体がある。立体はもう一つ小さいのがあった。平面作品は15こで、「STRIP 927-10」「Abstract Painting」「Sils Maria」などがある。

色の違う領域の、境界のところをぼやかす筆致で、色が細い線で入り混じったのが好きなのかな、と思った。

窓から中庭の立体作品が見えて、かっこいい。芝生に立ち、周りの林を借景をとする。まだ、木々に緑はない。外に出る。

立体作品「Strip Sculpture Karuizawa」は、幅10センチくらい、縦5メートル、横1.6メートルの8つの長方形を十字に立てた形だ。八面の壁は「STRIP」の縦縞版だ。

近づいて縞を見ると、線じゃなくて点々だ。小さい色の丸に違う色の丸が接近したり入り込んでいたりする。こまかい雨粒が滴っているのを連想した。

木立を見てT夫が言う。
「このへんの松は枯れちゃったね。松くい虫にやられたのかな」

屋内に戻って、受付に置いてある本や雑誌を見ていると、カタログの写真で見たばかりのWさんが入ってきた。T夫と同窓で、彼が話しかけたら、分かってくれた。30年ぶりだと驚いていた。

オフィスでおしゃべりした。机、椅子、戸棚、ファイル、腰高窓などをリヒターのスタジオと同じのにしたそうだ。

屋外作品は、世界でここひとつしかない。縦の線は、近づくと大きさがわからなくなる。目が横に並んでいるので、左目右目の位置の差で立体と把握できる。横縞は把握しやすい。というようなことをうかがった。

木立はカラマツで、これから葉が生えてくるそうだ。落葉松(カラマツ)という詩を思い出す。

Wさんは、60歳を過ぎて、新しい環境を整えて仕事をしておられる。

急に訪れたのに、お忙しいなか歓待してくださりありがとうございました。

 

13時、隣のレストランで昼食をとる。すいとんのようなパスタだ。「
14時に出て、アーツ前橋へ向かう。

15時過ぎに着く。展示はなかったが、カフェ、ショップ、アーカイブはやっている。ショップには、障害のある人や学校にいけない人が作ったアートグッズが並んでいた。全国の作業所やフリ-スクールから集められた。一つ一つがすごく楽しい。アクセサリーはピアスが多い。ネックレスがほしい。手ぬぐいとカレンダーを買った。

T夫は、先にショップを出て、アーカイブでDさんと会っていた。同席する。自治体の美術館での芸術振興の難しさを垣間見た気がした。60歳を過ぎて、新しい環境で仕事をしておられる。急に尋ねたのに、お時間をとってくださり感謝します。

17時過ぎに帰途につく。
途中、高坂SAで夕食をとっていたら、外環の渋滞は解消していた。

 

幸運が重なり人と会えた旅行だった。