6月12日(土)美術寄りの小説

きのうは午前中モスバーガー、午後バイト。

群像6 「貝に続く場所にて」石沢麻衣 新人文学賞当選作。よかった。美術畑の言説が生きた小説だと感じた。

絵画に描かれた形の印象から膨らませて、自分のイメージを複数持ち寄り、どちらかを軸足にして軸足を替えていく、スイッチ、往還。(陶然とする)。そして、絵画の中で各所に描かれたものが絵画の中で視線の運動を誘発したり、描かれた物自体が絵画の中で運動したりするというのが美術の言説に多いように、私は思うが、どうだろうか。

上記小説では、遠近法という言葉が何箇所か出てきた。遠近法って何だっけと思う。立体を平面に表現するための絵画的方法、と辞書にあったけど、小説だと時間になるか。遠い時間、近い時間を、一つ所一つ時間に出現させた。

まあそんなこと言っても、味わうことにはならないけど、私は自分の印象を探りかかった。