8月12日(金)田中陽希氏講演会に行く

きのうは、田中陽希氏の講演会に行く。房総の山復興 山の日記念講演会として千葉県の山岳会・連盟・協会の三団体が合同で主催した。
あらかじめ会場近くの駐車場を調べておいた。近くに駐車場はたくさんあるから、とT夫。風俗店が集まる地区に隣接している。へえ、詳しいじゃない、とは言わなかった。
あたりをつけておいた駐車場とは違うけど、一日料金が同じところに駐車する。まだ時間が早かったので、駅ビルをぶらつく。違う店で見て気になっていた同ブランドのズボンを買う。駅から会場方向へむかう人の中で、山関係の人はすぐわかる。

開会式のあと、2019年の台風15号と19号で受けた房総の山々の被害の状況と復興活動の取り組みの説明があった。倒木によって山道が谷側に崩落し、山側に道を作り手すりも設置した例、遊歩道に崩落した木と土砂が堆積しそれを除去した例などが紹介された。前に伊予が岳に行ったとき、大きな木が根を上にして倒れていた。道沿いの木がそうだと根の周りの土が持っていかれて道が途切れる。あるいは道に太い倒木が重なっていた。ああいうのを人の手で整備してくれているのだ。頭が下がる。

そして、田中陽希氏の講演だ。私は氏の名前を、講演会があると聞いて初めて知った。プロアドベンチャーレーサーという。アドベンチャーレースとは、「山、川、海など、各地の自然をフィールドに、多種目なアウトドア競技をこなしながら、ゴールを目指すレースである。チーム戦で行われるものが多い。」「本来、スタートからゴールまで、夜間行動もある3日以上の超長距離レースである。国内では、1~3日のレースが開催されている。主な種目は、オリエンテーリングを伴うトレッキング・マウンテンバイク・パドリング・ロープワークなど。」ウィキペディアより

田中陽希氏は、百名山、2百名山、3百名山を踏破している。講演は、3百名山踏破の話だった。全山人力での踏破で、動力を使わない。移動も歩いたりカヤックだった。準備はすべて自分で判断して取捨選択した。エクセルで表を作って、日にち、№、登頂する山、登山口、下山口、コースタイム、備考、の項目にした。
新型コロナの流行で、当時いた山形県から県間移動自粛要請が出て、登山も自粛要請が出ていた。知り合った人の親族の家に住まわせてもらっていた。いつかは登れるようになると思って、1日2時間ほど走りに出たほかは、ずっと家にいたそうだ。
チラシや紹介された写真はいい笑顔だ。タイマーで撮ったのかもしれない。この笑顔に、ほう、と感心する。偉業がすごすぎて私には別次元だったけど、こういうことをする人が居るのだ。

観客は700名くらい。高齢者が多めの中高年の方々のように見えた。若者は山の日は山に行っているかもしれない。私の後ろの席の人たちの会話が聞こえてきた。久しぶりに偶然会ったらしい。ーー山に連れて行ってくれる若い人が居なくなってね。いやいや私は70代は一人で槍に行ってましたよ。80を超えるとちょっともういけなくなったけど。え、槍?私もいけますかね。まだまだいけるでしょう。

こちらもすごすぎる。日々の鍛錬のすごさよ。でも、高齢者は、何かあるとガクッとなって踏ん張りがきかなくなるというから、注意は最大限必要だ。どうか安全に、と、余計なことまで思い起こす。