1月11日(火)新年会

きのうは、待ち合わせて、新宿発07:50の電車にK氏夫妻とともに乗った。いつも早めに待ち合わせ場所に来るA氏は遅れて乗れなかった。検索すると、次の電車に乗れば、東海大学前駅に私たちの電車到着の6分後に着く。6分なんてトイレに行ったりしてればすぐ経つ。
無事A氏と合流し、S氏の車にピックアップしてもらって、S氏のもう一つの別荘、弘法山に着く。車中、言い訳させて、とA氏。居間の時計が電波時計なんだけど10分進んでいる。ずっと長い間そうだった。きのうの夜、やっぱり直しましょうと正確な時刻にして、朝、時計を見て家を出た。途中、電車に乗っていたとき、あれ?腕時計見たら遅れそうなのに気がついた。最初なんでかわからなかった。直したのを忘れていた。今までずっと、進んでいるものと思って時計を見ていたから、その癖が抜けなくて。
S氏はいったん別荘に来て、薪ストーブに火を起こしてくれていた。別荘は東西に長く、西にドアがある。入ると一畳くらいのレンガの土間。手前に手洗いの小さな洗面台とシンクが付いていて奥にトイレ。トイレに向かって左の壁に薪ストーブがある。部屋は南側が長い長方形で、掃き出し窓に障子戸が付いている。上には高窓に網戸。明るい。高窓は換気のため少し開いている。ロフトとして、はしごで上がって、上部に二層式の空間がある。東と西に二つ。それぞれ人ひとりが寝られる広さだ。部屋は5畳くらいか。コルクをコーティングした床。その下にコルクを10センチだったか20センチだったか入れて、とにかく厚みがあるから、寒くない。
机は低いもので同じ高さで四角い火鉢がある。S氏は火のついた炭を鍋のようなものに入れて持ってきて、灰の上に置いた。火鉢は立方体で、内側に薄い鉄板が張られていて灰があり五徳に金網が乗っている。外側が漆塗りの木製だ。朱色の地で黒っぽい水玉模様?天目茶碗でいうところの星?がちりばめられている。わたしはたまたま火鉢のそばに座った。手をあぶるのにふちに手を置くと、漆塗りがすべすべしてきもちいい。S氏のお母さまの茶道具だったそうだ。
私が鉄を貼ったんだけど、少し錆びているでしょ、鉄は錆びてくるので、銅を張りたいと思っているんですよ。S氏が言う。銅は錆びないんですか。はい、職人に張ってもらおうと思っているんですよ。へええ。
入り口と反対側の東に出窓がある。そこには、モーゼルワインの瓶が3本置かれている。一昨年やその前の年、私たちが飲んだものだ。伊豆の地ビールの瓶も2本置いてある。壁にギターがかかっている。Bluetoothスピーカーをその前に置いて、音を響かせる。外は、掃き出し窓と続きでテラスがあり、ピザを作って焼いて食べたことがある。


S氏の庭に生ったレモンと柚子と近くの山の蜜柑をたくさんいただいた。A氏とK氏と私とでそれぞれ手を伸ばして袋に入れた。ザックにいっぱいだ。ゆずとミカンは少な目にした。レモンは塩レモンにするつもり。

スピーカーを忘れたっ、ということで、ギターの前にスマホを置いて、音楽を流す。火鉢でおもちを焼いて、薪ストーブで餡をとかしてお汁粉ができた。次に薪ストーブで鍋も作り始めた。食材はS氏が買っておいてくれた。飲み物は各自持参だ。まだ11時頃だけどお汁粉を食べる。白菜などの野菜を山盛りいれた鍋の具材が煮えるのを待つ。何度か別荘で一緒に過ごした、いまここにいない人達の消息を話す。S氏が今作っている小屋の様子を聞く。炭の火がちろちろ燃えるのを見る。燃えたところは白くなる。黒と朱と白だ。鍋ができて、食べる。
腹ごなしに、少し車に乗って駐車して、坂道を少し歩いて権現山公園に行く。お昼前までは雲が垂れ込めていたのだが、雲が切れてきて晴れ間が大きくなってきた。展望台からは、海と江の島と三浦半島とうっすら房総半島が見えた。富士山方向は雲でかすんでいて、S氏には見えた。山の上空のこの辺に見えると知っている人が見ればわかるくらいで、私には分からなかった。金時山などと箱根の山やまと秦野の街と川と山中湖に続く道が見えた。すべてS氏に教えてもらった。しばらく見ていた。

別荘に戻り、追い白菜と豆腐を入れて、鍋をつつく。リンゴを小さな鍋で蒸し焼きにしたデザートもS氏は用意していた。私はほとんど席を立たないで、ゆったり贅沢な時間を過ごした。火鉢は良い、暖かいし家にもほしい、と思ったけど、家でこんなに長い間座り込んでいることはない。人の別荘に出かけたればこそ過ごせる時間だ。S氏の手間を享受しているのだ。ありがたい。