12月12日(土)COVID-19 対策の覚書き

きのうは、午前中モスバーがにいた。午後はバイト。

COVID-19の感染拡大。第二波と比べて罹患する人の中で高齢者の割合が多く、全国に拡大している。和歌山県の行っている保健医療行政と保健所への人的支援は、患者数の多い地区ではもう無理なのだろうか。感染拡大を防ぐための手段で、今のGO Toの地域制限と飲食店の時間制限と、4月5月のような緊急事態宣言との間に、和歌山の方法があるのではないかと思った。
 陽性者が出ていくつかの県立高校が一定期間休校になっていたり、スポーツクライミングも12月末の全国高等学校選抜SC選手権大会が中止になっている。友人たちとの新年会も中止だ。変わっていくだろうけど、今はこんな様子。

分科会の提言のニュースの覚書き。

ネットのNHKニュースから引用

分科会「Go Toキャンペーン」除外継続など提言示す

分科会の提言では「勝負の3週間」の期限となる時期をめどに、
現在の対策の効果を分析する必要があるとしていて、
感染が急速に拡大している「ステージ3」にあたる地域での感染状況を
▽「拡大が継続」、
▽「高止まりの状態」、
▽「減少」の3つの場合に分けて、
今後、政府や自治体が行うべき対策をまとめています。

この中では「拡大が継続」か「高止まり」の場合には、
▽「Go Toキャンペーン」の対象地域から除外する措置を続けることや、
▽医療体制がひっ迫している地域への医療スタッフの派遣や、
医療機関への財政支援の強化などの対策が必要だとしています。

特に「拡大が継続」の場合は、
緊急事態宣言を出すような状況を回避するため、
対策の抜本的な強化が求められるとしていて、
▽飲食店への営業時間の短縮要請を強化するほか、
▽県を越える移動の自粛や
▽不要不急の外出自粛の要請が必要だとしています。

また「高止まり」の場合は、
▽飲食店への営業時間の短縮要請を継続し、
▽必要に応じて時間の前倒しや対象地域の拡大をするほか、
▽感染予防を徹底できない場合には、
 社会経済圏を越えた移動の自粛要請が必要だとしています。

さらに「減少」の場合でも、感染状況が急増している段階ではない
「ステージ2」にあたるレベルにまで引き下げることが重要だとして、
▽一定の対策を継続することが必要で、
▽経済的な影響が大きい飲食店への営業時間の短縮要請を続けるかどうかは、適切に判断するとしています。

一方で、いずれの場合でも
▽飲酒を伴う懇親会など感染リスクの高まる
「5つの場面」を避けるよう情報を発信することや、
▽高齢者施設や医療機関で早期にクラスターを封じ込めるために検査を徹底するなどの対策は必要だとしています。

年末年始の対策についての提言も

このほか、分科会は忘年会や新年会、帰省など、人が集まる機会が多い年末年始の対策についての提言も出しました。

この中では、年末年始に交流を通じて感染が全国的に拡大すると、さらに医療がひっ迫し、結果的に経済も大きな打撃を被るとして、「一人一人が年末年始を静かに過ごすことが求められる」としています。
そのうえで感染が急速に拡大している「ステージ3」にあたる地域では
▽忘年会や新年会は、オンラインで開催し、
 大人数の場合は実施を見送ること、
▽成人式や年末年始のイベントについて、
 主催者は開催時期の変更やオンラインでの開催など、
 在り方について慎重に検討すること
▽帰省は延期も含めて慎重に検討するなどの対応を求めています。
また、それ以外の地域でも
▽忘年会や新年会は、なるべくふだんから一緒にいる人と少人数で開き、短時間で済ませたり、斜め向かいに座ったりするなど、感染リスクを下げる行動を取ること、
▽成人式については、参加人数の制限や会場での飲食を控えること、それに
▽会場や周辺で密集しないこと
▽帰省する場合には帰省先での大人数での会食を控え、休暇を取る時期をずらして、混雑を避けるなどの工夫が必要だと指摘しています。
分科会の尾身茂会長は記者会見で、現時点でも北海道や東京都、大阪府は感染が急速に拡大している「ステージ3」の地域に当たる状況だという考えを示しました。

そして、それぞれの地域が11日の提言で示された3つの場合のうちのどこに該当するかについては、「どの場合に当たるかは感染者の数に現れるので、ある程度は判断できる。自治体には、今まで以上にリーダーシップを発揮して先手を打った対応を取ってもらいたい。国も自治体が同じ方向を向いて、より迅速に決断してほしいというのが分科会の強い思いだ」と述べました。

また、現在の状況について「ステージ3の地域では、感染の拡大で特に医療体制の負担が増大している。重症者の数は今後も増加が続くと思われ、保健所が感染経路などを特定する調査を行う余裕もなくなってきているなど、非常に厳しい状況になってきている」と危機感を示しました。

そのうえで、今後求められる対策について、「ことしの年末年始は我慢して静かに過ごしてほしい。また、年末年始が終われば人の動きが活発になって、再び感染が拡大するおそれもあるので、今のうちに感染のレベルをしっかり下げておくことが非常に重要だ」と述べて、今対策を強化する必要性を強調しました。
西村経済再生担当大臣は、記者会見で「なんとか感染者数の急激な増加は回避されているが、なかなか減少させることができていない状況にあり、分科会では、特に医療がひっ迫していることに改めて強い危機感を共有した」と述べました。

そのうえで「仮に継続して感染が拡大した場合は経済にも大きな影響が及ぶ。より幅広い地域や業種に制約をお願いすることになるので、緊急事態宣言を回避するため、協力をお願いしたい」と述べ、改めて感染対策への協力を呼びかけました。

また、西村大臣は「Go Toトラベル」をめぐり、札幌市と大阪市を目的地とする旅行を対象から外している措置を延長するかどうかについて「北海道の鈴木知事と大阪府の吉村知事は延長する方向で考えているのではないか。感染状況や医療のひっ迫状況なども共有しながら、緊密に連携して対応を協議していきたい」と述べました。
 

 

和歌山県知事 仁坂吉伸(にさか よしのぶ)氏 和歌山県ホームページから引用
 

知事からのメッセージ 令和2年12月10日

 

新型コロナウィルス感染症対策(その44) ‐大阪が危ない。日本も危ない。‐

 

 コロナの流行はとどまるところを知らず、今回の第3波は、特に高齢者に感染者が多く出たためもあって、重症化する人や亡くなる方も、第2波の時とは大いに違って、大変多くなっています。

 特に大阪の感染はひどく、重症者も多いので、大阪の重症病床は、満床に近づいて、このままだと医療崩壊というところに来ています。

 大阪は吉村知事が、キャッチーな宣言を出したり、住民に行動の制約、自粛を呼びかけるだけの人とは違って、保健医療行政の指揮官としても熱心に動いているように見えるし、その一環として、既存病院のコロナ中等症専門病院への改変や、医療体制の整備、重症者専用病院の建設などにも意を用いてきていただけに、大変お気の毒だと思います。

 大阪府からは、ベッドがあっても看護師がいなくて稼働できないということで、看護師派遣SOSが来まして、和歌山県がいち早く2名の看護師さんを派遣することを決めたほか、関西を中心に全国からも応援が続き、さらには政府も自衛隊の医療チーム派遣を決めたと報じられています。実は、今回の要請は、ICUで勤務できるハイスキルの看護師という要請でありまして、他県もそうでしょうが、和歌山のような小さい県では、ほんの限られた人しかおらず、かつそれらの人が和歌山のICUに張り付いている状態ですから、下手をすると和歌山のICUを止めてしまうという事になりかねない困難な要請でした。ICUはコロナの重症者だけでなく、命が危ないような患者が最後に担ぎ込まれる所ですから、これが使えなくなると、コロナのみならず、他の病気や事故で命の危ない人を救えなくなってしまいます。しかし、一番困っているのは、今は大阪だから、人の道ということで、皆で協力し合って行ってもらうことにしました。
 

 このように、大阪をはじめ、全国で医療崩壊が近づいている感がありますので、国民の危機感が高まっています。当然、政府もどう対処すべきかの議論が急ピッチですが、国会もマスコミも、今やこの議論が噴出しています。マスコミなどの報道では、医療崩壊の危機が迫っていて、医療現場は大変だという状況が大いにクローズアップされ、医療の専門家が登場して危機を訴え、人々が行動を自粛してくれて、感染をしないようにしてくれなければ、もう医療が持たないという発信を強くされます。また、こんな大変な時にGoToトラベルやGoToイートなどはとんでもないことで、しばらくはやめよ、そればかりか、こういう危険を考えずにGoToトラベルなんぞ考えた菅総理や政府がけしからんといった声が野党政治家の口を借りて叫ばれます。
 

 しかし、私は、これだけではないのではないかと思います。理論的には医療現場が大変だから、一挙に国民の行動を自粛させよというのは、その両者を繋ぐ大事な機能についての考慮を全く欠いた議論ではないかと思うからです。


イラスト
 

 図のように、今回の問題を考える時の構造は次のようになっています。すなわち、国民の誰かがコロナにかかったとしますと、その人と病院との間に保健所や、それを統括している都道府県の保健医療行政チームがいるわけです。この人達が陽性者を隔離し、その陽性者から行動履歴を聞いて、他に感染している人がいないかを発見して、PCR検査をし、隔離し、行動履歴を調査して、という地道な努力をずっと続けているのです。

 この人達は、陽性者又は患者を適当な病院へ入院させるアレンジも(和歌山や他の感染を比較的抑え込んでいる県は全員入院です。)するわけで、この人達がコロナの感染を局地的に抑え込めていれば、コロナの爆発は防げて、病院の崩壊などは起こりようがないのです。

 和歌山県のこのチームは本当によく仕事をしてくれていまして、そのトップたる私は、ただただ彼らを慰めたり、励ましたり、スタッフを増やして援軍を送ったり、メインの仕事に専念できるように周りの雑務は他の部隊で処理するように取り計らったり、そんなことを一生懸命しています。仕事の様子も詳細に聞いていますので、現場でどんな活動がされているか分かってきますし、他県がその点でどうなっているのかも如実に分かります。東京・大阪のように爆発してしまうとその収拾にはとても時間がかかるのですが、そこをまじめにしっかりとやっておかないと、感染爆発が起こるぞということもよく分かります。

 特に隣県大阪は、他人事とはとうてい思えないので、何度か気の付いたことを「差し出がましいようですが・・・」と断った上、アドバイスをしました。しかし、中々改善も出来ぬうちに今の爆発をよんでしまったのは、大変残念であります。
 

 一例を挙げると、和歌山の人と大阪の人が会食をしていて、和歌山の人の感染が確認されたので、当然その濃厚接触者ということで、大阪に通報をしました。我々は自分達がやっているように最寄りの保健所がすぐに飛んで行って、その人にPCR検査をして、感染しているかどうか確かめているだろうと思っていたら、その後、検査がされていないことが分かりました。仮にその人が発症していたら、あるいは無症状の感染者であったら、更に大勢の人にうつすことになります。こういう状態が続くと、いずれ感染爆発が起こるのは理論的に自明であります。私はこういう例を発見した時には大阪に通知して、偉そうにならない程度に、改善しないと危ないですよ、爆発に繋がりかねませんとアドバイスしていたのですが、中々改善に繋がらず残念でありました。現場が忙しすぎて、分かっていても対応できなかったのかもしれません。

 今や、大阪の感染の爆発により、和歌山にも火の粉がどんどん飛んできまして、和歌山の保健医療当局も大忙しであります。大阪の南部は元々3次救急が脆弱なので、最後の砦は和歌山市の大病院という形で駆け込んで来られることが常態化していたのですが、大阪の方は分かってもらえているでしょうか。最近は命に関わりかねない肺炎患者が大阪から救急車で運ばれてきたと思ったら、病院に入る際の抗原やPCR検査で陽性が判明し、直ちに和歌山のICUに準じる病床が一つ埋まってしまうことになりました。看護師を応援に派遣しているだけでなく、コロナの重篤患者までICUに受け入れているのです。(同様な例が複数あります)。しかも、後で分かったのは、この患者さんが入所している問題の福祉サービスで既にコロナ患者さんが出ていたということです。コロナ患者が出ていても接触した可能性のある人をもう調べられなくなっているということでしょうか。
 

 このようにコロナ問題を考える大事なパーツは、国民一般の行動をどうするか、どのくらい制限するかということと、医療現場の崩壊をどうして防ぐかということに加えて、コロナ患者が発見された時、この人をいかに上手く隔離し、入院等アレンジをし、この人の行動履歴から感染している可能性のある人をあぶり出して検査をし、陽性者はまた入院のアレンジなどをするということであります。

 このような保健医療行政の機能強化こそ、この危機に際して最も問われるべき事だと、現場の苦労を見て、心を痛めている私は思います。
 

 しかし、世の中の動きは全く違います。この事を吹っ飛ばして、医療現場が逼迫したら、とたんに国民の行動を制約せよという議論に短絡してしまっています。保健医療行政と言えど行政ですから、県知事が直接指揮し、工夫も出来るところであります。県知事は、こういう組織の長であるわけですから、まずはここを機能全開になるように強化する責任があると思います。国民一般に行動の変容を迫る前にやることがあるのではないでしょうか。そしてその機能が不十分であるというのなら、それは、100%その行政の最高責任者である知事の責任です。
 

 そんなことを言っても、もう爆発が起こってしまったものは言ってもしようがないという意見もあるでしょう。しかし陽性者の取り扱いを一人ひとり丁寧にやっていくことによって、少しずつ少しずつ事態は好転していくと私は信じます。さらにこの保健医療行政の再建強化をしていることを条件として、感染爆発の大混乱の時だけは国民一般に行動の自粛をお願いするのも考慮に値します。しかし、そちらを放置していては、国民がいくら自粛しても、中々感染は収まりません。
 

 ではどう改善したら良いのでしょうか。爆発している県も上手くやっている県も拠るべき法律や使うべき組織は同じです。それなら、運用を対比させてみて、上手くいっている所と爆発している所はどこが違うのか調べてみるのが一番早いのではないでしょうか。

私がこれまで見てきた限り、感染が爆発している地域の対応と和歌山県の対応とでは次のような点が明らかに違うと感じます。

  1. 陽性判明者の行動履歴を徹底的に調べているか。
  2. そこから判明した濃厚接触者全員のPCR検査をしっかり実施しているか。
  3. 陽性判明者の入院、ホテル入所など十分な隔離の面倒をきちんと見ているか。
  4. 感染拡大に備えて、病院拡大、人員の手配、ホテルのリクルートなどを専門的見地から慎重かつ着実に進めているか。
  5. 陽性者と言えど、たいていの場合その行動範囲は、保健所の管轄を越えているから、別の保健所管内にいるこの人の濃厚接触者の検査を命令できる保健所の統合システムを持っているか。保健所がバラバラに動いていないか。
     

 その他もっとあるかもしれません。この手の問題は精神論ではいけません。もっと頑張れと司令官が言うだけでは失格です。大事なのは技術です。その技術は、今の事態とコロナの感染状況から出てくる論理的な考察によってしか生まれません。

 和歌山県はその点必死で頑張ってきたので、多くの知見もありますが、最近は感染者も多いので、もっと上手く感染を抑え込んでいる県のことも大いに参考にされたらいいのではないでしょうか。
 

 しかし、大阪など既に大変なことになっているのに、課題が見つかっても、もはや身動き取れないよ、酷なことを言うなと言われそうです。よく理解できます。とは言え、人間は考える動物です。工夫の仕方で悲惨な状況を少しは改善できるかもしれません。

 この保健医療行政分野においても、専門性を有する保健所のチームを疲れさせてはいけません。和歌山県では、専門的知識が無くても出来る仕事を専門性の高い人に出来るだけやらせないように、他の部署の人達も保健所の業務の周囲に配置し応援にも行かせています。また、ICUの看護師さんならすぐに習熟というのは無理ですが、保健師さんなら市町村に別の仕事をしている人がたくさんいます。また、ICUの専門性を問わなければ看護師さんも保健所のこのようなオペレーションを少しは応援してくれるかもしれません。その方々をパンク気味の保健所に投入して、ここを建て直せば、感染者の発生自体が抑えられ、医療現場への負荷が少しは減るのではないでしょうか。医療現場へのてこ入れだけが工夫の種ではありません。

 和歌山県は、大阪ほど大変な状況にはなっていませんが、既に以上のような措置が出来るようなスキームは整えてあって、現に、一部では現実に応援もしてもらっています。
 

 同じ法律、同じ制度で、何故こんなに違うのか、今こそ比較して調べてみるべきではないでしょうか。それがコロナで危ない日本を救う唯一の道だと信じます。しかし、時々思います。こういうことを考えるのは、本来国なのではないか。もっと端的に言うと、国の首脳にアドバイスする立場にある保健医療の専門家なのではないか。そのよなひとがどうして、GoToはどうだとか、国民の行動の変容、自粛ばかり言われるのでしょうか。不思議です。そしてこのままだと日本が危ないと思います。