11月11日(木)ゴッホ展、公募展、画廊、廻り

きのうは、東京都美術館ゴッホ展に行った。予約は9:30から10:00までの入場。9:30に敷地の入り口に着いたら、開館を待つ人の列ができていて、前に歩き出していた。ゴッホ展だけではなく、都美館でやっているいくつかの展覧会が目当ての人も大勢いるのだろう。最後尾に並んで、列はスルスルと前に進んだ。入館してゴッホ展前でも列ができていたが、やはりするする進んで、会場に入った。ヘレーネというコレクターによって収集された作品群だ。ヘレーネも収集によって成長していく、と絵の横の解説文でわかってくる。ゴッホの、初期の素描と油絵の具を使い始めた絵を見る。練習して、ちゃんと技術もあったのだ。ちょっと意外に感じた。私が浅うございました。展覧会場の最後のほうに晩年の油絵がある。「黄色い家(通り)」「夜のプロヴァンスの田舎道」はもちろんすばらしい。でも、「サン=レミの療養院の庭」がやたら良かった。初めて見た。思いがけず出会えて、見に来て良かった。

カタログは、買っても家で広げないし溜まる一方なので、最近は買っていない。代わりに、絵葉書と湯呑とハンコを買った。
次に、知り合いの方からいただいた案内状の公募展を観た。その方の作品は、いつもながら対象を凝視した世界と抒情がある。凝視に向かわせるのはどういうことかと思う。公募展はもの珍しい。面白いのは、絵の下にある題名と名前の書かれた紙に、「入選」と「会友」と「準会員」と「会員」と「審査員(だったかな)」が、あらかじめ印刷されていて、それぞれインクの色が違うことだ。団体における階級らしい。それにプラスして、「会員賞」とか「準会員努力賞」とか「新人賞」とか、小さい短冊が張り付けてある絵もあり、受賞が示されている。

11時半ころ、上野駅丸井の無印良品のカフェで昼食をとる。
京橋のギャラリイKの「加藤 崇 ―中之条―」展を観る。以前、加藤氏の動画作品を見て面白かった。いまの作品は写真になっている。どっしり独特で面白い。中之条ビエンナーレにも出品していると画廊のU氏に聞いた。会期が今週末まで。中之条ビエンナーレは地元の作家が中心になって始めて、会を重ねてだんだん大きくなってきた。地方の野外展で北川さんの手にならないものとしては、かなりうまくいっているんじゃないか。有名なスター的な作家がいなくても、続けてやっていけている。住民の方も協力的な感じで、というような話を聞いた。行ければよかった。
U氏に、ゴッホ展を観てきて、カタログ買う代わりにグッズを買ったんですよ、と言ったらU氏は、展覧会の直後は、本物見た後で、まだ印象に残っているし、カタログはどうせ本物とは違う写真だから、とカタログ買わないことがあるけど、あとで、買っとけばよかったと思うんですよ、と言った。
でも、家で見ないし、ときのうは弁解した。しかし、今、欲しくなってきている。買えばよかった。
日本橋のSPCギャラリーに行く。「後啓子 佐藤玲子」展を観る。後氏はインスタレーション。その一部の、四角いガラスの器に、白い綿が入り、細長いコバルトブルーの小枝が挿してあるのが良かった。ほかの部分は割と平面的だったからかな。ああ後さんのだ、と思う安定感と、そのときそのときに惹かれるところがあって、長い間作品発表する難しさを超えていてすごいと思う。