5月14日(日)マチガ沢で雪上訓練

きのうは、夜中に起きて、リーダーのお宅まで車で行き、車を駐車場に置かせてもらう。他のメンバーが乗った車が来て、同乗する。6人だ。

高速道路で交通事故に注意がそがれて、降りるべき出口のみなかみインターチェンジを通過し、トンネルを走り湯沢インターチェンジで降りて再び入り、やっと降りた。コンビニに寄ったあと、土合駅で小休止する。下りホームへの通路を見学する。地上はブロックで作られた壁だった。下りホームが地下深いところにあり、長い階段で有名だ。壁にぽつぽつと電灯の光がともり、灰色の階段が暗い下の空間へと伸びている。怖くはない。灰色の階段と壁と銀の手すりで、工場の夜景の雰囲気だ。私たちは数十段しか下りなかった。

「階段の数を数えてください」リーダーが言った。

この駅で降りた人は、階段をのぼりながら数を数えるが、途中で途切れてやめてしまそうだ。「最後まで数えられた人は、遭難するといわれているんです」とリーダーが言った。

「なんでだろ、まじめすぎて、引き返さないからかな」私が言った。
「それに、階段の端に番号が書いてありますよ」

 

 先に4人が谷川岳登山指導センターで降り、リーダーと車のオーナーの2人が戻って白毛門登山口駐車場に車を停めた。指導センターで待っていた1人がアイゼンを車に置き忘れてことに気が付いて、取りに戻る。指導センターにリーダーが来て、4人がマチガ沢出合までゆっくり歩いて待つ。

去年よりも残雪が少ないとのこと。全員そろったところで、出発する。のどが渇く。緊張でそうなるってほんとなんだなと思う。途中から雪渓に降りる予定だったが、第一見晴まで行き、やぶ漕ぎで下に降りる。その際、ロープを出してもらった。

雪渓は広い。二ノ沢の手前か。まずはアイゼンをつけないで、歩き方を教えてもらう。トラバースや登り下り。雪渓なので、滑ると下まで滑落するかも、と思って、ピッケルをしっかり雪に刺し込み、10メートルくらいしか練習しない。こんなところで死ねないと思う。

次に、アイゼンをつける。20メートルくらいピッケルを頼りに歩く。アイゼンをつけたほうが歩きやすい。基本は歩き方なのだそうだ。靴の重みで蹴りだせるようになると疲れないのだそうだ。転んだ時の制動をかけるポーズも教わった。実際に歩いてこけてピッケルで制動をかけることはしなかった。
逆ハの字で登るのは楽だから好きだ。斜めに登るとき、山側の靴のヘリに体重を乗せるのがちょっとやりづらい。リーダーは雪の上を自在に歩いている。

その後、雪渓を下っていく。一歩一歩踏みしめる。雨は降りそうで降らない。雪の上に岩がところどころ露出していて、そりで長く滑れるような状態ではなかった。下っていくと、窪んでいるところは雪の下に水が流れる音がする。それでも20mくらい滑れそうなところがあった。アイゼンを外してまでやりたくないと思い、私はしなかった。一人だけやった。
雪渓が終わる10mくらい手前で、藪に入り、すぐに夏道に出る。
マチガ沢出合から、新道を行く。大粒の雨が降ってきた。途中二度、渡渉した。二度目の渡渉のとき、バランスを崩して、靴に少し水が入った。駐車場近くで、オーナーが一人で車に乗ることにして、5人が歩いて土合山の家に着く。ビバ、文明。屋根があって、壁がある。

 部屋でビールを飲んだりして、くつろぐ。源泉かけ流しの温泉に入り、体を温める。浴衣に着替える。夕食は素晴らしかった。味噌汁は姫たけと油揚げで、おいしい。牛肉のステーキとカニもある。おかずだけでボリュームたっぷりだ。「谷川岳」という日本酒をメンバーが買い、ふるまってくれた。飲口がいい。スイーツは生クリームどら焼きと抹茶わらびもち。食べきれず、ラップをもらおうとしたら、生モノなので今日中に食べてほしい、お皿のまま部屋で食べてくださいということだった。

9時ころ就寝する。